フェイクニュースの裏側:ジャーナリズムへの期待

信頼できるニュースをもとにジャーナリストの考え方からニュースの見方を学ぶ

20世紀後半に育った私たちの中には毎週日曜日の夜、夕食が終わったころにテレビのチャンネルをCBSに合わせた思い出を持つ人も少なくないでしょう。テレビではストップウォッチの音に続いた一瞬の沈黙の後にニュースが始まります。Mike Wallace、 Morley Safer、 Diane SawyerやBen Bradleyが伝えた、時に対立的で議論を呼ぶ世界の出来事の詳細な情報に私たちは魅了されました。

両親がいつも見ていたから、私たちが60 Minutesを見ようが見まいが関係なく、米国の学生はニュースについて学習するのが毎週の宿題でした。そしてその経験は情報とその情報の検証、そしてニュースに対するリテラシーを培う人生で初めての経験となりました。

報道番組のパイオニアで、長寿番組、そして根強いファンを持つ報道番組である60 Minutesは50周年を迎えました。そして私は、今日の学生がどのようにニュースを消費し、またニュースソースの評価方法についてどのように教えられているのに思い至りました。

これを踏まえ、社会におけるジャーナリズムの機能の重要性と賢いニュースの消費者になる方法が学べるニュースリテラシープログラムを持つStony Brook University のJournalism and Mass Communication Educator のJennifer Flemingによるケーススタディをご紹介したいと思います。

ニュースリテラシーを再定義する

ピューリッツァー賞を受賞した新聞、Newsday*のスタッフとして35年勤務した後、Howard Schneiderは2006年にStony Brook Universityにジャーナリズムスクールを新たに設立しました。このスクールを始めるにあたり、彼は型破りな方法をとります。伝統的なジャーナリズムのスキル養成ではなく、ニュースリテラシーというこれまで存在しないカリキュラムにしたのです。Flemingはこれを2014年にMedia Literacy, News Literacy or New Appreciation? A Case Study of the New Literacy Program at Stony Brook Universityとして発表しました。ここでFlemingは「Schneiderは既に確立していたメディアリテラシーの枠組みに反対しており、最初からニュースリテラシーをメディアリテラシーの一部として考えていた。」と述べています。

最初のミッションから既に重要な内容だった。メディアの変遷期の次の世代のリポーターやエディターを養成するというものだったが、次世代のニュース消費者を要請する、という2つ目のミッションは、もしかするとより重要な内容だと言えた。

このコンセプトはジャーナリストと同じ考え方を持った次世代のニュース消費者を育てるということでした。一般的なメディアリテラシーに対し、ニュースリテラシーを培うことは、ニュースから得た情報の真実性と確実性を見極め、他のメディアと区別するうえで重要です。この考え方の背景には、信頼性の高いジャーナリズムの見極め方を学んだ学生は、批判的な思考法を身に着け、質の高いニュースソースを採用するであろうという理由がありました。

Schneiderはこのニュースリテラシーカリキュラムを、彼自身のジャーナリストと新聞編集者としての経験をもとに発展させ、自由でより良い民主主義のための監視機能としてのジャーナリズムではなく、学生に「批判的な思考法を利用して、印刷、テレビ、インターネットなどの媒体にかかわらず、ニュースリポートの信憑性を判断する」ことを教えようとしたのです。

ファクトベースのジャーナリズムへの理解をはぐくむこと

確かに、これは高尚で、そして社会におけるジャーナリズムの機能を楽観的な側面でしか見ていないかもしれませんが、Shneiderにより考案されたカリキュラムの核心を示すものです。Flemingは以下のように述べています。

Shneiderにとって、ニュースリテラシーは、「責任のある」ジャーナリズムと、情報と情報とも言えないものが広がるデジタルの海でぼんやりしているそれ以外の何かの狭間で消えかかっている、彼がその存在を心配するプレス自身の重要な原理だけでなく、ニュースオーディエンスの新しい世代に向けて、ニュースにどのようにアクセスし、評価し、分析するのかという方法を教える彼なりの方法である。

ニュースリテラシーコースの教員は、情報収集や編集において上位に位置づけられているPost Register、TIME、All Things Considered* や 60 Minutes*でリポーターや編集者などの経験を積んだ人材が採用され、新入学年の全の学生が所属する一般教養コースを担当しました。彼らの授業では、責任あるジャーナリズムの持つ正確さと真実、そして表現や宗教の自由と「国民の知る権利」に対する揺るぎないコミットメントに焦点が当てられました。

「[ニュースリテラシーには]ジャーナリズムについて、一種の愛や尊敬のような、ある種のうまれついたロマンティシズムがある。」以前60 Minutesのプロデューサーを務め、ニュースリテラシーの講師となったSteven ReinerはFlemingに話しています。

「[ジャーナリズム]はファクトに関することです」と彼は続けます。「そしてファクトに根付いたもので、物事を証明することができるのです。問題の波及の大小のようなものではなく、正しく理解することなのです。」

ニュースリテラシーを教える目的は、ジャーナリストの信頼性を高く保つために、それらの原理を理解し、またニュースを正しく消費できるようにすることです。Schneiderは続けます。

不正確または無責任なプレスに対しての最大の検閲は、単によく教育されたジャーナリストや批評、また倫理規定ではない。ニュースとプロパガンダ、検証と主張、証拠と推論、バイアスと構成の見極め方を学んだ、これからニュースを消費する新しい世代である。

ニュースリテラシー教育は有効か?

Flemingの論文はニュースリテラシー教育の原理とニュースリテラシーが学生よってどのように理解されるのかについての分析と評価が多く含まれています。彼女はまた「盲目的にジャーナリズムに福音を説く」ことやこのコースが学生によって「思い出す要素もない意味のないファクトに満ちた意味のない授業」となる可能性も含めて、このアプローチに関する批評も考察しています。

これとは逆に、Flemingのケーススタディは「ニュースリテラシーの教育は、時事問題へのエンゲージメントと認識、そしてプレスの原理原則と習慣に関する知識という3つの結果を導きだした」と述べています。彼女はインタビューを通して、機械工学やコンピューターサイエンス、そしてヘルスサイエンスなどの異なるプログラムに所属する学生がニュース記事やテレビレポートから時事事項について学ぶダイナミックなアプローチについての好意的な反応も発見していました。

ある学生は、ニュースをレポートするには事実を単純にコンテンツとしてフォーマットを整えるのではなく、クリティカルシンキングのスキルが必要だということに気づき、驚きました。

小さなストーリーを作って、そこに事実をからませてバーン!って感じでこれがジャーナリズムだ!って思ってたんだ。でも[先生が教えてくれたんだけど]実際には考えるプロセスが背景にちゃんとあって、それがすっかり身についたよ。今は記事を読んだら自分に聞くんだ。「これちゃんと正しいって検証されているだろうか?検証されたのはどこなのか?独立性はどこにあるんだろうか?って。」

ニュースリテラシーを育て、責任感のあるニュース消費者となるために学ぶことは授業の中だけに限ったことではありません。これらのスキルはニュースソースにアクセスできる人であればどこででも身に着けることが可能です。苦心しながらでも信頼性のあるニュースを見分けていくことは可能です。その意味で図書館は評価の高いニュースプロバイダーから、最新のニュースへのアクセスを利用者に提供する重要な役割を担っています。

ニュースリテラシー能力をつけるためのリソース

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*60 MinutesはUS Newstream と Global Newsstreamでご利用いただけます。All Things ConsideredはUSNewsstream, US Major Dailies, and Global Newsstreamよりご利用可能です。

参考文献:
Fleming, J. (2014). Media literacy, news literacy, or news appreciation? A case study of the news literacy program at stony brook university. Journalism & Mass Communication Educator, 69(2), 146-165.


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